其之二百三十九「ひよこ茶碗」
遊庵に連れて来られた頃のほたる(推定14~5歳)は、ギラギラしていて誰も寄せつけないガリガリに痩せた子供だったそうです。あのようなほかほか家族内でどうやってほたるの人格が形成されたのか納得行かねえぜコノヤローと思ってましたが、遊庵に引き取られた頃にはすでにあの人格ができあがっちゃってたわけですね。
もはや手遅れだったわけですね(手遅れ言うな)。
遊庵は遊庵で引き取るだけ引き取って自分はあまり家に居つかなかったようです。なんて人。なんて人。ほかほか家族にほたるを預けっぱなしで、自らは吹雪の家とかを訪ねて客人扱いどころかまるっきり相手にもされず孤独に耽溺してたってワケですかい。
ひどい人!!(←ほめ言葉)。
さてそんな遊庵に取り残されたほかほか家族ですが、ほたるがゴハンを食べてくれないのでほたるがゴハンを食べるまで自分らも断食(庵奈提案)という強行手段に出ます。
五日目、やつれゆく弟妹たちの様子を見かねた庵曽新は、ほたるの前に置いた食事を取り上げ、気に入らないなら出て行け、と言い放ちます。食事を取り上げられたことに対して、「他人にほどこしを受けるのはイヤだけど、横取りされるのはもっとイヤだ」と返すほたる。
しかしそんなほたるのわがままぶりよりも、庵曽新がすでにグレモード入ってる点の方が気になってたまりません。
ほかほか家族の語りによれば、断食事件はほたるが遊庵に連れて来られてわりとすぐの頃っぽいんですが、えええ? じゃあほたるが「ガリ勉庵曽新の部屋に入り浸ってた」期間は?
Aの期間のどこかで庵曽新がグレているわけですが、「入り浸り期間」がAの期間かBの期間かによって解釈がかなり違ってきますね。
Aの場合
■ほたるが引き取られてから断食事件まではかなりの間がある。
■その間のほたるは、庵曽新の部屋に入り浸りつつ時折窓から飛び出して
■野ねずみを獲って生き延びていた。
■しかも野ねずみを生で食っていた。
■時にはカラスなども獲っていた(関東圏なのでハシブトガラス)。
■庵曽新のグレた原因はそんなほたるの行動そのもの。
■野生動物をおどり食いするほたるに文句をつけるため、とりあえずほたるの不良っぷり
■(ピアスが多い人物は庵曽新的にすごい不良)に負けない外見にする庵曽新。
■形から入るタイプだから。
■しかし付け焼き刃の不良っぷりでは七・三の呪いからはのがれられないのだった。
■ていうか脱色してんのにあくまでも七・三てどうなの。ポリシーなの。
■今のお前は信念すらも捨てたの。
Bの場合
■庵曽新ははじめからグレていた。
■しかし家族の一員となったほたると仲良くなった彼は、ほたるのような五曜星になるべく、
■心を入れ替え真面目なガリ勉優等生に。ほたるの壬生出奔後は以前よりも激しくグレた。
■庵曽新は家でこそグレていたが、対外的には優等生の仮面を被っていた。
■要するに影番だった。
■影番なるものは今でこそ絶滅した種族だが、KYOは江戸時代なので、
■まだ絶滅危惧種として生息していた。
■趣味は草むらで葉っぱをくわえること。当然長ランが彼の戦闘服である。
■思い出の中の庵曽新の姿は、弟たちもしくは庵曽新本人の願望をやや加えた
■記憶の捏造である。
七・三の過去なんて忘れたいよね!!
つか色々予想したものの、どれ1つとして当たる気がしねえ。
今週は、自分とほたるが似たもの同士であることを心の中で激しく主張しつづけるアキラがたいへん愛らしかったと思います。