D伯爵:
「おや、クリスがインタビュアーなんですね」
クリス:
「うん、お兄ちゃんは「めいげんしゅう」のレポートがあるからダメだって。僕、がんばるよ!」
「では私も誠心誠意答えなくてはいけませんね。
…ところで、ダメと言いながらそこにいるのは何故なんですか、刑事さん?」
レオン:
「うるせえ! 俺だって、テメーの写真撮るなんざ心臓の弁がひっくり返るくらいイヤなんだよ」
「なら、写真係など断ってとっととお帰りになったら良かったじゃないですか。別に誰も止めませんよ」
「仕方ねえだろ、メインキャラが少ないから誰かが掛け持ちするしかねえんだよ!
まさかキュー助にカメラマンやらせて写真にコメント付けさせる訳に行かねーだろーが!
(編注:コメントは写真にカーソルを合わせると出ます)」
「もしかしたら写真は撮れるかもしれませんが…」
「…コメントは無理だねえ。キューちゃんはキューしか言わないもんね」
「あん? あ~、そうだな。でもあいつ、時々モノ言ってるように聞こえる時が…」
「…刑事さん?」
「はっ! い、いや、何でもねえ!俺の気のせいだ!」
「お兄ちゃん、キューちゃんと話せるの? いいなあ、キューちゃんは動物だから僕、話は出来ないよ(編注:クリスにはペットショップの動物たちがすべて人間に見えています)」
「ダーリンたら、私に隠れてキューちゃんとこっそり言葉を交わし合っていたんですね。
いやらしい、見損ないましたよ」
「そのダーリンとか言うのはやめろ! 大体何がいやらしいんだ!
…ほ、ほらクリス、インタビュアーはお前だろ。伯爵に質問しろよ」
「うん、ええとね、じゃあ、伯爵のお店はペットショップなのに、なんで動物がいないの?」
「…ク、クリス、それは…(苦笑)」
「何言ってんだ? 動物なら年中ゴロゴロしてんじゃねーか」
「お兄ちゃん、動物はキューちゃんだけだよ。あとはみんな人間だよ」
「みんな人間じゃ商売あがったりだろ…(はっ)」
「…クリス、ちょっと待って下さい(イヤな予感)」
「たまに外から来た人に、引き取られていく子もいるけど、動物を売ってるとこはみたことないよ、僕」
「人間の子供が引き取られていくだあ!? 伯爵、とうとう尻尾を出したな!
案の定人身売買に関わっていやがったんだな! 署まで同行してもらおうか!」
「刑事さん、カメラマンとして来てたんじゃないんですか…」
「でも引き取られていく子は新しい家族の一員になるんだって、みんな幸せそうだし」
「クリス、子供を引き取っていった連中の顔とか名前とか覚えてるか!」
「ええとねえ…三丁目のスミスさんとか…あっ、お兄ちゃんの仕事場の『デカチョウ』さんもいたよ」
「で…刑事部長が!? なんてこった、汚職か!」
「刑事さん、誤解ですよ。部長さんは…」
「デカチョウさんはね、『マーガレット』って女の子を引き取っていったの」
「…………マーガレットは、部長んとこのハムスターだ。エリザベスと一緒に飼ってんだ…」
「え? マーガレットはショートカットの、10歳くらいの女の子だよ」
「…クリス?」
「刑事さん、クリスには動物たちが人間の姿に見え、彼らの声が言葉として聞こえているのですよ」
「……は? お前、また俺をかつごうとしてんのか? もうその手は食わねーぞ」
「…自分の弟君の言うことも信じないんですか?」
「うっ」
「あなたにもきっと、彼らの声は聞こえますよ。
キューちゃんとも睦言を交わしていることですし、聞こえない筈がありません」
「アホウ、だから睦言だの秘め事だのじゃねえって言ってんだろ!」
「秘め事ですって? 私に内緒でなんてことを。
私だけをのけ者にして、二人でそうして嘲笑っていたんですね、あんまりです(嘘泣き)」
「…てめえ、また芸風変えたのか…?」
「恐ろしい…その内キューちゃんがホウキみたいなボサボサ頭の子供を産むかもしれないんですね」
「産まねーよ!!」
「あ、ねえねえ、お兄ちゃん」
「ん? 何だよクリス」
「そういえば、僕まだ赤ちゃんがどこから来るのかちゃんと聞いてないよ
(編注:本編中でクリスが二人に質問しました)」
「(げっ)あ…ああ、いや、それはな、伯爵が説明してくれるってよ!」
「ちょっと刑事さん、また私に押しつける気ですか!? あなた普段からクリスを当店に預けっぱなしにして面倒見てないんだから、こういう時こそ出番でしょう!」
「るせぇな、元はといえばてめえが下世話な冗談言い出したからだろーが!」
「秘め事がどうとか言い出したのは刑事さんでしょう!」
「バカヤロー、ありゃあ言葉のアヤって奴だよ! テメーが揚げ足とるから…」
「ああ…二人ともまたケンカ始めちゃったよぅ…もしかして僕のせい?」
編注:取材対象がカメラマン兼コメンテーターとハデな喧嘩を始めた
ため、インタビューは中断されました。申し訳ございません。