今月の作品紹介

「烈火の炎」 安西信行 著
週刊少年サンデー掲載(1995年16号~)
「周囲に火種飛びまくり。400年越しの兄弟喧嘩」

今から約400年前、「火影(ほかげ)一族」と呼ばれる謎の忍軍が存在した。彼らは風水力学・科学の力をもって超常現象を生む「魔導具」と呼ばれる武器を作り出した。一族の頭首は、自身の体内から炎を生み出す力を持ち、「炎術士」と称された。炎術士は本来一代にひとり。だが六代目の後継ぎとなる炎術士は例外的に二人生まれた。兄の紅麗(くれい)、弟の烈火。後継の座を追われたのは紅麗の方だった。死者を炎に変えて自分の中に取り込むことのできる紅麗の炎が、「呪われし炎」とされた為である。その後、火影は魔導具の力を恐れた織田信長によって滅ぼされた。烈火は母の陽炎(かげろう)の秘術により、戦国時代から現代へと時を流され、術に巻き込まれた紅麗もまた、同じ時代に流された。15年後、烈火と紅麗は再び運命的に対峙する―――などと書くとすごくシリアスな話のようだが、実はコメディ含有率50%くらいである。美少女の多さからいってラブコメになっても良さそうなものだがどちらかといえばコメコメである。中には笑えるか笑えないかの超ギリギリ瀬戸際ギャグも存在するので平和な笑いを好む人は注意しよう。女人のムネを好まない人も注意しよう。現在28巻以下続刊。

 

&キャラ紹介


花菱 烈火(はなびし れっか)

本作品の主人公。ファーストキスは無事ヒロインとであったが、セカンドキスはおっさんに奪われてしまった、とてもかわいそうな16歳の高校一年生。忍者マニアで忍装束は自前(たびたび戦ってボロボロにしている事から考えて、箪笥ひとつ分丸々くらいの枚数を用意していると推測される)。紅麗とは異母兄弟。頭のてっぺんの髪がハネているところと負けず嫌いで意地っ張りなところはそっくりである。頬の判創膏は、赤ん坊の頃紅麗に刺された傷跡を隠すためのもので、意外な乙女チックさを窺わせる。
他人からサル呼ばわりされようがミジンコ呼ばわりされようが大切な人が傷つけられようが自分が殺されかけようが、相手が改心するとあっさり許してしまう無限に広がる海原のように極度に広い心の持ち主。「悪魔のように強いがバカ」というのがもっぱらの噂だがそれなりに的を得ている。現時点で紅麗にずけずけと好き勝手なことを言い、対等に喧嘩が出来る唯一の存在。


烈火の高校の一年先輩で、水の魔導具「閻水(えんすい)」の使い手。先輩なのに、ヒロイン以外誰一人として先輩として扱わないのが微妙に気の毒。7歳の頃唯一の肉親だった姉を殺され、復讐のためだけに閻水を手にした。はっきり言ってかなりのシスコン。紅麗が素直に認めるほど冷静で計算高いが、姉のことになるとその冷静さを95%ほども欠いてしまうものすごいシスコン。命を賭した戦いの前に「やり残したことをしろ」と言われたら姉さんの墓参りに行っちゃうくらいの空前絶後のシスコン。
確実に東大に行ける頭脳を持つ彼にとっては周りの人々はサル同然らしく、烈火などは常にサル扱いされている。少し見直されるとチンパンジーに格上げしてもらえるが、バカをやるとシーモンキーもしくはミジンコなどの微生物ランクまで一気に落とされる。涼やかな外見に似合わない粘着気質で、悪口を言うと内容と言った相手の顔をきっちり記憶して後々仕返しする。


水鏡 凍季也(みかがみ ときや)


小金井 薫(こがねい かおる)

元は紅麗の暗殺部隊「麗(うるは)」予備軍に所属していたが、紅麗に失望して麗を離れ、その後烈火たちの仲間になる。ファーストキスはゴリラっぽい男子高校生のオデコ、という涙が出るほどかわいそうな中学二年生。クチビルはやわらかいとの噂である。変形型魔導具「鋼金暗器(こうごんあんき)」の使い手で、その実力は水鏡とほぼ互角(味方のNo.2は水鏡なので相当の実力者と言える)。明るく愛嬌のあるムードメーカー。たびたびナマイキだと言われるが、基本的な性格は素直で裏表がないので誰にでも好かれる。敵味方問わず好かれる。男女問わず好かれる。親衛隊ができるほど好かれる。オカマにすら好かれるので本人はあまり嬉しくないかもしれない。しかもそのオカマ(まったく美しくはない。美しければいいというものでもないが)に危うくくちびるを奪われそうになったとあってはもう涙が止まらない。


紅麗の腹心中の腹心で、「麗」最強と謳われる実力者。普段はトロくさい普通の兄ちゃんで、「昼行灯」とか言われている。紅麗への忠誠が他の何よりも優先する部下の鑑。紅麗がカワイくて愛しいので守らずにはいられないらしい(本人談←冗談)。しばしば烈火の幼なじみの少女にちょっかいをかけ、時にはピンチを救ったり助言を与えたり助太刀したりムネをさわったりする(最後は不可抗力)。女性に対して常に紳士的なのはいいが自らを「王子様」と称するのはちょっとどうかと思われる。敵でありながら限りなく味方っぽい、都合のいい立場を延々と維持し続ける男。
雷の魔導具「雷神」の使い手だが、雷神の凶悪な力を使うことを恐れ、封印している。通常は刀・爆薬・手裏剣などを使って戦う、烈火と趣味が合いそうな人(別に趣味でやっているわけではないが)。戦い方は基本的にクリーンだが、逆鱗に触れるとイキナリ容赦がなくなり、戦意を失っている敵でもさくっと切り刻んだりする。


雷覇(らいは)

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