今月の作品紹介
「ササキ様に願いを」 みずしな孝之 著
月刊まんがパロ野球ニュース/ 月刊スポコミ /月刊まんがくらぶオリジナル/
月刊まんがくらぶ/ 月刊ベイスターズ掲載(1993年9月~1999年12月)
「主人公はボールよりもチームメイトをよく投げる」
プロ野球チーム・横浜ベイスターズの佐々木主浩投手とそのチームメイトたちが巻き起こす破天荒な日常を描いたギャグ漫画。投手としての実力こそあるもののあまりに傲岸不遜で乱暴な主人公、パシリに終始している気の毒でまともなキャラと見せつつ実は時々いかれポンチなその後輩、完全にいかれポンチなキャッチャー、受け狙いに命を燃やす外野手とそのよきパートナー、いかに自分を美しく見せるかにこだわる美少年投手、平凡なフライをはじいてホームランにする珍プレーが得意な外野手、リーゼントで釘を打つ投手、暴君な監督→ソフトで微妙に瞳孔開いた監督→雨の日も風の日も頬づえポーズの監督、いかんともしがたいマジック(あるいは犯罪)を使う某チームの監督など列挙するだけでも見どころ満載である。これだけ揃えば野球の場面がほとんどないのも無理はない。主人公が大リーグに行った時点で惜しまれつつも最終回となった。全6巻。
&キャラ紹介
斎藤 隆(さいとう たかし) |
横浜ベイスターズのエースピッチャーで、東北高校時代からの佐々木の後輩(2コ下)。大学も同じ。その豊富な後輩経験で佐々木の性質を知り尽くしているかのように見えるが、読みが当たるのは約6割といったところ。しかも的中しても対応・阻止が可能とは限らない。習得アビリティはパシリ・荷物持ち・失言(盛田とふたりで「失言の応酬」という合体技が可能になる)。いつもこき使われているが、佐々木がいないともの足りなさを感じるらしい。パシリにだんだん快感をおぼえるようになっている辺り、将来に不安を感じさせる。佐々木に持たされる荷物が恐ろしく重いため、筋力の増強に役立っているという噂だが定かではない。しかし年々打たれ強くなっているのは確かで、最近では球場のフェンスの所まで吹き飛ばされてもすぐ復活する。佐々木がアメリカに渡った今、一番の心配事は「佐々木のパシリでN.Y.に行かされる」ことだと思われる。 |
横浜ベイスターズの投手(4巻以降近鉄バファローズ移籍)。佐々木を投手としても人間としても世界一尊敬している、ちょっとアブない選手。その常軌を逸した敬愛ぶりで、佐々木に3年連続で「自分をクリスマスプレゼント」したことがあるが遂に受け取ってはもらえなかった。「ササキ様応援歌」(ササキ様最高♥という内容の歌)作詞/作曲/発表経験あり。油断すると太る体質だが、甘いものは別腹♥ 男らしくなろうと日々努力しているわりに、手紙にプリクラは貼る。一番の宝物はササキ様の生写真。男の中の男への道は彼にとって果てしなく永いものになるであろうこと請け合いである。 |
盛田 幸希(もりた こうき) |
佐伯 貴弘(さえき たかひろ) |
横浜ベイスターズの外野手。関西弁の人。野球より周囲の笑いを取ることの方が彼にとって重要度が高く、そのお笑いへの意気込みは時に佐々木すら引かせる。試合でエラー・凡退などは問題にもしないが、ヒーローインタビューでギャグがすべった場合などは立ち直れないほどの大打撃を食らう。試合中でもかましたギャグがすべると逃亡しがち。それほどにお笑いへの情熱を燃やす彼だが、ギャグは凍結気味。笑いにこだわった色々な捕球・走塁・打法などを開発するのが趣味。中でも「ボイン打法・ボイン捕球法・ボイン走法」などの「ボインシリーズ」は有名である。野球の試合では役に立たないのが残念だ。年に数回「めっちゃ男前」に変身し、必ずホームランをかっ飛ばせるようになる(ただし3分間)。また、年に1回「ものごっつう男前」になり200メートルを越える大ホームランを必ず打てるようになるが、役に立つ時期に変身した例はまだない。 |
横浜ベイスターズの内野手。世界一小さな野球選手。身長は170mmという触れ込みだが、どう見てもマイルドセブンより小さい。サバを読んでいるとの説もある。その愛くるしい外見は見る人たちをしあわせ気分にする。野球選手というよりはむしろ野球の妖精らしい。佐々木に悩み事を相談してまともにとりあってもらえる唯一の人物(ただし悩みが解決されているかどうかは定かではない)。そのあまりの小ささゆえ、ボールと間違えて投げられてしまうこともしばしば。出塁時に踏まれることもある。身長170mm以下の選手で構成される労働組合・プロ野球プチ選手会(通称ププ会/入会金990円)のメンバー。背を高くするのが夢だった彼だが、最近は「小さな身体を大きく生かす」というププ会の理念に夢中だ。 |
万永 貴司(まんえい たかし) |